中国華中の世界遺産

上海の風景

中国は、万里の長城や瀋陽の明・清王朝皇宮など、巨大な世界遺産が多く現存している地域です。

こういった世界遺産の多くは北京に集中しており、世界遺産と世界遺産との間の移動がスムーズなので、何かと観光がしやすい環境になっています。

しかし中には、観光するのが非常に困難な世界遺産もあります。

たとえばその一つに、中国の自然遺産、「丹霞(たんか)」があります。

この世界遺産は2010年にユネスコの世界遺産に登録されており、まだ世界遺産になってからの年数がそれほど経ってない自然遺産です。

中国ではどちらかといえば万里の長城や北京と瀋陽の明・清王朝皇宮、天安門などの文化遺産のイメージが強いので、ほとんど知られていないのですが、実際中国には実に美しい景観の自然遺産がいくつも存在します。

環境汚染のイメージが思わずふきとぶような自然遺産を多く保有しているので、中国へ世界遺産めぐりの旅へ出られる方はぜひ、この国の自然遺産についてチェックしてください。

ちなみに、中国の自然遺産の中でもこの「中国丹霞(ちゅうごくたんか)」は特に貴重な自然遺産だとされています。

まず、丹霞(たんか)とは中国の独特な気候のもとで発生した堆積です。

地形学や地質学に携わる多くの人から研究対象とされているこの世界遺産は、非常に珍しい堆積岩で形成されており、まず日本ではお目にかからないような外見をしています。

丘でもなく山でもなく、火山のような印象もなく、「岩の塊」と安易に呼べるほど小さくもないその自然遺産は、国際的に観ても非常に価値の高いものだと広く認知されているのです。

ここまで読み「中国にはこんな世界遺産があるんだ~、行ってみたいな~」と思ってくれた方もいるかもしれませんが、じつはこの世界遺産はある難点があります。

それは、この世界遺産が「一カ所に集まっていない」ということです。

そもそもこの自然遺産は中国の貴州省の「赤水」や湖南省の「莨山」。

そして広東省の「丹霞山」、福建省の「泰寧」、江西省の「竜虎山」、そして浙江省の「江朗山」などの六カ所に点在している世界遺産です。

つまり、すべてを回ろうとするとかなり無理が生じます。

というより、2010年に世界遺産に登録されたばかりのこの世界遺産は、まだほとんど日本では認知されていないので観光に行こうにもほとんど詳細が掴めません。

どこが最も見晴らしが良いか、日本人にはどの辺りが人気か、というような情報もほとんど見つからないので、観光に行く前に一通りの情報をチェックしておきたいという方にはあまりおすすめできない世界遺産かもしれません。

とはいえ、タクシーをチャーターすればだいたいどのポイントにもスムーズにアクセスできるので、現地の様子を観に行くだけならそれほど大変ではありません。

見学自体もすんなりできるかと思われます。

しかし、どうしても難しいのは到着する時間帯の調整と、その世界遺産の地層の様子が分からないということです。

六カ所に分かれているこの世界遺産は、そのポイントごとに地層の様子が変わります。

非常によく見えるポイントもあれば、あまりよく見えないポイントもあるのです。

さらに言えば、この世界遺産は丹(中国で「赤」を表す漢字)の霞(赤に染まることを意味する漢字)を観る為の世界遺産とも言える場所なので、なるべく夕暮れ時に観た方が美しいという点もあります。

ハッキリ言ってしまうと朝観るのと夜観るのとでは天と地ほど違う世界遺産なので、時間帯の選択が非常に重要なのです。

もちろん、朝霞の中で観る世界遺産も絶妙なのですが、この世界遺産の場合は、名前からして「観るべき時間帯」が定められているようなものかもしれません。

この世界遺産を観に行く場合はなるべく、夕暮れ時を狙うようにしてみましょう。